こんにちは。薬剤師コーチの関口詩乃です。
このお話は「札幌マルヤマンとコーチングと私」
第1章:円山動物園に行くまでの経緯:(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、
第2章:円山動物園で見たこと:(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11) 、
第3章:講演実現まで:(12) 、(13)、(14) 、(15)、(16) の続きです。
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「私が札幌に住み始めたときには、東豊線って豊水すすきのまでしか通ってなかったよなー」
「『札幌の地下鉄にゴムタイヤが採用された理由』が大学の授業とテストで出たよなー」などと、
いつの時代ですかそれは?
ということを考えながら、大通から東豊線に乗り、美園駅で下車。
ところで、この訪問、楽しみでもあったが、不安も抱えていた。
講演が決まって以降、7月下旬にマレーグマのウッチー、この訪問の5日前にシマウマの飛馬が死んでいる。
特にウッチーは「事故」 だ。
北川さんの仕事場である豊平区民センターに向かうリンゴ並木の環状通りを歩きながら、これらのことが講演に影響する可能性も考えていた。
(↑豊平区役所のリンゴの木)
約束の時間よりだいぶ早く到着したものの、あっという間に約束の時間になった。
転職面接か昇進試験ですか?と言うほど緊張しながら(それより緊張してたかも・・・)ドアをノックして開け、名乗った。
奥の役職者の席っぽいところの男性が、軽く手を挙げて挨拶してくれ、女性職員の方が、応接スペースに案内してくれた。
北川さんだ!!!
円山動物園の再生の講演をしてほしいと思ってから5年。
念願のご本人との初対面である。
一方で、「風通しの良さそうな職場だな」と、本能的に職場の雰囲気を測ってしまう。
お茶を入れてくださった女性についつい話しかけ二言三言会話をするが、その会話からも、職場の関係性が良好なんだな、と思った。
数分後、北川さんがいらっしゃった。
電話の印象とは打って変わって、とても穏やかそうな人だ。
無駄はないが丁寧なメールを毎回いただいていたし、これまでのお仕事を考えると、理不尽にパワーをぶつけるタイプではないだろうと思っていたけれど、想像以上だった。
ということは、あの電話は意図的だ。
そして、自分の出すパワーや雰囲気をコントロールしているということだ。
ギラギラした感じはないが静かな力強さというか・・・
これまでに大きな成果を残してきた人、
というよりも、
今この部署で信用されるお仕事をしてる人
という感じ。
”ハリーポッターと死の秘宝”の中の
「権力を持つのに最もふさわしい者は、それを一度も求めたことのない者」
「やむなく指揮を執り、そうせねばならぬために権威の衣を着る者は、自らが驚くほど見事にその衣を着こなす」
というダンブルドアのセリフを彷彿とさせる。
お引き受けくださったお礼と、今日の目的などを伝え始めたが、北川さんの手元には、書き込み済のこれまでのメールを印刷した紙が用意されている。
話し合いが始まった。
K「後藤田コーチ (←円山動物園の当時のコーチ)に聞いたら、国際コーチ連盟日本支部(ICF Japan)というのは、日本で一番真剣にコーチングをしている人たちの集団だそうですね」
北川さんはさりげなくそう言った。
この時はまだ、北川さんと後藤田コーチの信頼関係の深さを知らなかった。
そもそも、後藤田コーチとお会いしたことがなかった。
だから、「ありがとうございます」と何となく流したのだが・・・。
11月に講演を聞きながら、このときのことを思い出していた。
「もしあの時、後藤田コーチが私達ICF Japan のことを『聞いたことがない』等とおっしゃっていたら、どうなっていたんだろう?」と。
ICF Japan は、確かに「プロコーチの集団」であり、「真剣にコーチングをしている人たち」である。
だが、3年前に法人として再出発した、新しいコーチの団体である。
しかも国内でコーチングを勉強した人にとってICF(国際コーチ連盟)が知られているため、「名前は知られている」団体ではあるが、「その日本支部って、何やってるの?」という状況であることは否めない。
海外や外国人へのコーチングに興味がなければ、「良くわからない団体」と言われても仕方がない。
北川さんが信頼する後藤田コーチ。
きっと、後藤田コーチは私達を応援する意図はなかったと思う。
だが、この後藤田コーチの返事が、ICF Japan を助けてくださったことは間違いない。
その後、講演タイトルや資料、時間、参加者数、参加者の属性、等々について打ち合わせた。
K「講演タイトルですが、『飼育員へのコーチング導入による動物園再生』というタイトルで、北海道の動物園だと言うと、みんな旭山動物園だと誤解して人が来るので、これでいきましょう」
え?「札幌」とか「円山」とか入れなくていいんですか?
興味を持ってもらうことの方が優先ですか?
北川さん、本当に講演に慣れていると打ち合わせをしていて思った。
ポイントの押さえ方がまず慣れている。
そして、面子とか体裁とか、あまり優先事項ではなさそうだ、と思った。
さらに話は「今の円山動物園」に移っていく。
北川さんは、
「実は今、円山動物園にはいろいろなことが起きていて、『うまく行きました!』『入場者数100万人達成見込みです!』で終わりではないんです」
と言って、今の円山に起きている問題について、話し出した。
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