こんにちは。薬剤師コーチの関口詩乃です。
このお話は(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) の続きです。
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「園内が、なんとなく賑やかで明るい・・・」
というのが第一印象だった。
もちろん、雪景色の冬と、爽やかな陽射しの夏という季節の違いも大きい。
でも、あきらかにそれだけではない。。。
H先輩「人、増えたしょ?」
確かにそうだ。
行き交う人の多さにびっくりだ。
否、そもそも「人が行き交う」という状態に見えるほど人がいる!
H「円山(動物園)は今、人を呼ぶ工夫をしてるんだ」
S「・・・宣伝とかってことですか?」
H「それもあるけどね」
H「どっちかっていうと、お客さんが自然と(円山動物園に)来たくなるようなしくみを作ってるんだ」
そう言いながら、目の前のオラウータン舎で立ち止まる。
あれ?ここ、こんなにきれいだった??
H「ここは改装したんだよね。きれいになったしょ?」
S「確かに。明るくなりましたね」
明るくなった、どころではない。
地面は土に、コンクリート柵ではなくアクリルガラスになっている。
しかも、木が植わっていてロープがあり、お隣の大きなオラウータンは絶好調で遊んでいる。
H「行動展示っていうんだ」
H「動物がその動物らしくいられるための環境を整えてるんだ」
S「旭山動物園でやってるやつですか?」
H「あそこもそうだけど・・・あそこは箱モノがすごいよねー」
S(やっぱりH先輩の前で旭山の話は出さない方がよさそうだ・・・)
H「それだけじゃないんだ」
H「見える?」
えっ?何がですか???
っていうか、なぜこんなにオラウータン舎に人が群がってるんだ??
・・・オラウータンの赤ちゃんがいる!!!!!
H「かわいっしょ」
ええ、そりゃもうっ!!
と、そのとき、オラウータン舎の中に、ツナギを来た人が登場。
カメラで写真を撮っている。
S「何やってるんですか?あの人」
H「飼育員さん。オラウータンも慣れてるっしょ」
・・・H先輩、オラウータンが慣れてる人間かそうじゃないかわかるくらい、円山動物園に来てるんですか?
H「ああやって可愛い写真撮って、ブログに載せて、そのブログを見て『かわいいー』って思った人がまた動物園に来るんだわ」
円山動物園では飼育員さんが動物の成長ブログを書いていた。
H「飼育員さんはねー、ほかにもいろいろ頑張ってるんだわぁ」
H「たとえばさ、そこに餌があるでしょ?」
と、H先輩、アクリルガラスの土台(地面から30cm位の高さのコンクリート)の上に置かれた果物らしき餌を指差す。
H「あそこに餌を置くと、お客さんに近い(アクリル板1枚で隔ててるだけ)ところで、餌を食べてくれて、それをまた『かわいいー』って見るわけよ」
H「で、ファンになって、また来る、と」
お客さんが自然にまた来たくなる仕組み?
行動展示?
飼育員さんが写真とブログ??
餌の置き方の工夫???
1日中でも眺めていそうなほどオラウータンの赤ちゃんにメロメロな私に
H先輩は「時間ないから行くよ」と声をかけ、
私たちは、待ちきれなくてすでに次の場所に走り出していたX君を追いかけるように移動した。
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