こんにちは。薬の?を解決する薬マニア薬剤師、関口詩乃です。
健康診断を受ける前に考えておくべきことがあります。
それは、
「もし、何か異常が見つかったらどうするか?」を決めておくということです。
考えた結果によっては、検査自体を「受けない」と決めることもできます。
15年以上前、祖母がまだ生きていた頃、祖母に言われたことがあります。
「もう、健康診断も受けないし、病院で検査もしない」と。
そのとき祖母はすでに80歳も半ば過ぎ。
祖母の面倒を見ていた母に、「あんたから病院に行くように言ってくれ」と言われて祖母と話したのですが、祖母と話すうちに、
「そりゃそうだよね」
と思い、祖母の考えに同意しました。
病院がとにかく嫌いな彼女の、
「もう、いつお迎えが来てもおかしくないのに、なんでわざわざ病気を見つけるために苦しい思いをしなきゃいけないの?」
というのは当然の疑問に思えました。
話し合った結果、私たちは、20年後の動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、大腸がんなどを予防するための検査は意味がない、という結論に達したのです。
しかも、祖母は年相応に咳が出たり身体のあちこちが痛んだりはするものの、血圧の薬ひとつ必要としない健康状態。
その代わり、
(1) 足や腰や背中、手が痛い・しびれるなど、行動を妨げるような不都合が体に起きたとき
(2) 熱が下がらない、息が苦しい、割れるように頭が痛いなど、すぐ治まらないことが起きたとき
には、すぐに、楽になるために病院に行くよう、約束しました。
結果、100歳近くまで彼女は自宅で寿命を全うしました。
最後の数か月で胃がんとその全身転移が見つかりましたが、人間の身体も寿命があります。
もし80代のあの時、無理やり健康診断を受けさせて癌を発見していたら、手術するか悩み、手術をしたらその負担もあり、しなければ転移や進行の恐怖もあり、果たしてこの年まで元気で生きてくれただろうか、と、今でも、あのときの「健康診断は受けない」という判断は結果として幸せだったと思っています。
「早期発見して未来に備えるため」
「自分が健康であることを確認するため」
など、健康診断の目的はいろいろあります。
何のための健康診断なのかを自覚する、ということを祖母に教えてもらった気がしています。