コーチング解体新書で得たもの

こんにちは。関口詩乃です。

2013年の2月から、日本コーチ協会神奈川チャプターを中心に、

ゲストコーチに実際のセッションをしてもらった後、その中で何が行われ、どんなことが起きたのかを解説していく

「コーチング解体新書」

というセミナーを開催していました。

 

2017年を最後に開催していないのですが、Facebookの「思い出」機能でときどき、数年前の「コーチング解体新書」の参加者募集投稿が上がってくることがあります。

今回、「國井あやこ さん」をゲストコーチにお迎えして開催した、2016/5/21開催の第17回の投稿が表示されているのを見て、「今ならあやこさんをこういう紹介はしないなぁ…今ならなんて紹介するかなぁ…」などと思ったりしながら、当時のことを懐かしく思い出し、振り返ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

コーチングの会話って、自然であればあるほど、

「どうしてそういう流れになったのかわからないけど、話しているうちに何かに気づいたり視野が広がったり決断したり行動設計したりして、人生が進んでいくんだよね」

ということが起きがちです。

そもそも人前で行われるものではないので、他のコーチがどんなシグナルをどうキャッチしてどんな技(スキル)をどう使っているのか等々、なかなか見る機会もないですし、見たところでわからなかったりします。

自分がクライアントのときには自分の人生のテーマに集中しているので、セッションの録音を後で聞き直して

「あぁ、コーチはこういうことをしてくれてたんだ」

と思うことはできますが、自分のコーチの例に限られます(それでも、自分のコーチとのセッションを聴き直すことはコーチングの学習にとても価値があると思いますが)。

 

自分がコーチングを学ぶ中で、「自分が素敵だなと思う先輩コーチの皆様は、どんなことをやっているのか知りたい!」と思って始めたのが、この『コーチング解体新書』でした。

 

この記事の最後に開催一覧を載せていますが、ゲストで来てくださったどのコーチングも、それぞれに素晴らしかったです。

そして、新米コーチだった私がベテランコーチのコーチングを勝手に解釈・解説する、というある意味無謀なセミナーに、寛大な心で登壇してくださった先輩コーチの皆様に対し、改めてありがたいと思います。

開催当初、「ベテランコーチのコーチングを新米の私が解説しちゃっていいんだろうか?」と悩む私に、ある(登壇してくださった)先輩コーチが、

「このセミナーは、今だからできるんだよ。関口さんがコーチとしてのキャリアを積んだら、変に評価っぽく感じたり正解を決めているように思われたりして逆にできないし、ゲストコーチも来にくいよ。新米コーチの『知りたい』が大事なんだよ」

と仰ってくださったことがありますが、今振り返ると、本当にその通りだと思います。

 

とにかくコーチングで何が行われているのか知りたい!の一心で始めたコーチング解体新書ですが、このセミナーを通じて

  1. セミナーの開き方
  2. セミナーでの注意の向け方
  3. コーチとしてのフィードバック力
  4. 多くのコーチとの出会い
  5. 自分が目指したいコーチングの方向性

等々、多くのことを学びました。

 

1.セミナーの開き方

企画を考え、協力者を募り、日程や会場を決め、会場予約をし、告知内容を決め、告知を作り、当日受付用の名簿を作り、当日必要なものを準備し、当日は受付をし、会場を準備し…と、セミナーを開催するには、いろいろな準備や行動が必要です。

それらの一連の流れを知ったり体験できたりしたことは、得難い財産です。また、日本コーチ協会神奈川チャプター(JCAK)の企画としてスタートさせていただいたため、企画段階から開催・運営まで、いろいろなところでJCAKの皆様にサポートしていただき、開催どころかシリーズものとして続けることができました。

そもそも「こういうことがやりたい!と思ったら、いろいろな人に相談してみること」という、私の何かをする1st stepがわかったのも解体新書です。

多賀さんというコーチの先輩であり友人が解体新書の生みの親の一人ですが、多賀さんが「ほかの人にできることじゃないんだから、安心していろんな人にこういうことをやりたいって話してみればいい」と教えてくれて、しかも最初に内容や流れを一緒に考えてくれたことから、解体新書が誕生することができました。

 

2.セミナーでの注意の向け方

例えば、

・一般的にセッションを見学していて、その内容を覚えていられるのは〇〇分くらいまで

・参加者がディスカッションしたりせずに聞いて退屈しないのはこのくらいまで

・会場の音や見えるものはこんな影響がある

・会場でこのタイミングで気を配るのはココ

等々、実際にセミナーを開催したからこそ体得できたことが沢山あります。元々、社内研修や社外研修の講師などをしていたため、全くのゼロからのスタートではありませんでしたが、業務命令ではなく自分の意思で自分でお金を払って来てくださる参加者は正直です。できるだけ満足して帰っていただくために、様々な発見と工夫を積み重ねる中で学んだことは、間違いなく今の自分に活きています。

 

3.コーチとしてのフィードバック力

振返るとコーチング解体新書は、良質なコーチングを見聞きしながら、ものすごい勢いと緊張感の中、ポイントとなる部分を探して提示し、発見したことを会場の参加者が理解できるように表現する、という時間でした。

セッション練習で「見ていて気付いたことをいくつか相手の成長のために伝える」フィードバックも最初は緊張するものですが、ひとつのセミナーとして学習に寄与する視点と表現が必要だった解体新書は、言い換えれば、フィードバックに必要な視点と表現が進行に必要な場であり、私のフィードバック力を使いまくった時間であり、鍛えまくった時間でもあったのだと思います。

 

4.多くのコーチとの出会い

延べ31回のコーチング解体新書を開催するためには、少なくとも同じ人数の先輩コーチが必要でした。しかも、オファーした全員が日程が空いていて趣旨に賛同して登壇OKしてくれるわけではありません。

数えていませんので私の印象ですが、恐らく、少なくとも開催回数の倍以上のコーチにゲストコーチの依頼をしたと思います。

本当のことを言うと、私はあがり症ですし、結構な人見知りです。それでも、解体新書に出てほしい・このコーチのコーチングを見てみたいという欲望が、当時の私を動かしていました。

当然、自分の知り合いのコーチだけでは足りず、こういう感じのセッションを見たいと言ってはいろいろなコーチを紹介してもらい、コーチングのイベントに行けば、このコーチはどういうコーチングをするんだろう?と思ったコーチに話しかけ、気づけば多くのコーチに話しかけていました。

開催3年目くらいからは、JCAKのイベントだという安心感や、これまで登壇してくださったゲストコーチの信用で「あのコーチが登壇したJCAKのイベントなら」と怪しさが薄れてきましたが、それまでは警戒されることも多かったですし、今思えば、それはもっともなことだったと思います。

その中で、初年度に登壇してくださったコーチやご参加いただいた皆様、特に第1回の参加者(会場で「何をするイベントかわかってここに来た人?」と訊いたら1/5くらいしか手が挙がらなかったのに来てくださった)の皆様、何より「今日は詩乃ちゃんを応援に来たから。何でもするから何でも言ってね」と言っていらしてくださった第1回ゲストコーチの加藤典子さんと、最初に恐々オファーをかけたときに「いいですねー!いいですねー!行きますよ!!」と仰ってくださり、「コーチング解体新書」の名前を使うことにもご快諾いただけた猪俣恭子さん(「コーチング解体新書」は猪俣さんが連載していたコラムの名称)には、本当に感謝しています。

 

5.自分が目指したいコーチングの方向性

そうやって多くのコーチのセッションを見て・聴いて・理解していく中で、徐々に「自分はこういうセッションをしたい」というものが見えてきた気がします。

もちろんコーチングは双方向であり継続的であり個別対応なものですから、相手によってもコーチによっても時と場合によってもテーマによっても変わってきます。

そして、自分がこうありたい・こうなりたいというコーチを見つけたりそういうコーチのセッションを受けてみることも大事です。

ただ、コーチング解体新書を開催していく中で、多くのコーチを見て(解説するために必然的に)どういうことをしているのかを考えて表現する時間を持てたことが、その中でも「こういうことができるようになりたい」「こういう関わり方はいいな」「このタイミングでこういうことが出せたら」というようなことを見出すことに寄与したと思うのです。

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あれから5年が経ち、久しぶりにコーチング解体新書のことを(Facebookの思い出機能のおかげで)思い出し、今の自分にとってどんな役割だったのか、どんな影響があったのかを考えてみました。

楽しかったなぁということ、そして、ゲストコーチ・参加者の皆様・JCAKメンバー・多賀さんを始めいろいろな人にお世話になったこと、当時の学びが間違いなく今を形作っていることを改めて思いました。

「得ることはある!何をやっても!!」なのですが、改めて、今の自分のコーチとしての基を作ってもらったなぁと思った次第です。

ここからの5年は…もし、コーチング解体新書みたいなイベントがあれば、ゲストで呼んでもらえるようなコーチになれたらいいな、と思ってみたりしています。

***********【付録:コーチング解体新書年表】***********

2012年:企画始まる
2012年夏~秋:スカイプでプレセミナーを1回、ミニコーナーとして数回
1) 2013年2月16日(土):第1回JCAKコーチング解体新書:加藤典子コーチ
2) 2013年4月20日(土):第2回JCAKコーチング解体新書:猪俣恭子コーチ
3) 2013年7月13日(土):第3回JCAKコーチング解体新書:谷口貴彦コーチ
4) 2013年8月24日(土):第4回JCAKコーチング解体新書:安海将広コーチ
5) 2013年10月19日(土):第5回JCAKコーチング解体新書:林健太郎コーチ
6) 2013年11月17日(日):コーチング解体新書アドバンス:谷口貴彦コーチ(1日)
7) 2013年12月14日(土):第6回JCAKコーチング解体新書:井原くみ子コーチ
8) 2014年1月12日(土):コーチング解体新書 in 仙台:伊藤裕樹コーチ
9) 2014年2月15日(土):第7回JCAKコーチング解体新書:本間直人コーチ
10) 2014年3月15日(土):コーチング解体新書 in 茨城チャプター: (西村コーチ)
11) 2014年3月29日(土):コーチングのモヤモヤを解消しよう in 金沢:(岩本コーチ)
12) 2014年4月5日(土):コーチング解体新書アドバンス:谷口貴彦コーチ(1日)
13) 2014年4月19日(土):第8回JCAKコーチング解体新書:川本恵コーチ
14) 2014年5月25日(土):コーチング解体新書×ストレングスコーチ:ともまつけいこコーチ
15) 2014年6月28日(土):コーチング解体新書の実験室:井原くみ子コーチ
16) 2014年7月26日(土):第9回JCAKコーチング解体新書:たにだひでこコーチ
17) 2014年9月20日(土):第10回JCAKコーチング解体新書:吉田典生コーチ
18) 2014年10月5日(日):コーチング解体新書 in 熊本:(大迫コーチ、井上コーチ)
19) 2014年12月13日(土):第11回JCAKコーチング解体新書:ともまつけいこコーチ
20) 2015年2月21日(土):第12回JCAKコーチング解体新書:藤田潮コーチ
21) 2015年3月28日(土):コーチング解体新書1st step in 富山:(青木コーチ)
22) 2015年5月16日(土):第13回JCAKコーチング解体新書:大坪タカコーチ
23) 2015年6月21日(土):W解体新書(伝え方解体新書 in 東京:知識茂雄コーチ
24) 2015年9月5日(土):第14回JCAKコーチング解体新書:西田博明コーチ
25) 2015年11月23日(月・祝):JCAK場づくり解体新書:青木安輝氏
26) 2015年12月19日(土):第15回JCAKコーチング解体新書:柴藤由美子コーチ
27) 2016年2月20日(土):第16回JCAKコーチング解体新書:今西正和コーチ
28) 2016年5月21日(土):第17回JCAKコーチング解体新書:國井あやこコーチ
29) 2016年9月10日(土):第18回JCAKコーチング解体新書:鈴木安子コーチ
30)2017年2月18日(土):第19回JCAKコーチング解体新書:坪田順子コーチ
31)2018年3月17日(土):第20回JCAKコーチング解体新書:本田賢広コーチ

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