こんにちは。薬のあらゆる「?」を解決する薬相談の専門家、薬剤師コーチの関口詩乃です。
前回の
という問いの続きです。
「○○な異常」については、別の考えを持っている、と言いましたが、それは・・・
「相対的な異常」「社会的な異常」についてです。
どういうことか?と申しますと。
たとえば私は「特発性過眠症」という病気の診断を受けた「起きていられない人」です。
フルタイムで1日中座って書類を読む仕事や、
長時間の会議が頻回にある仕事は、かなり困難が伴う・・・
というより、ほとんど仕事になりません。
そういう意味では「異常な睡眠で困っている」という、病気です。
薬による治療も紹介されました。
でも、この病気、考えてみてください。
いつも、立っていたり、話したり、
あるいはいつ寝てもいい環境なら、「困らない」ですよね?
「寝すぎてしまう」のは、確かに問題ですが、
「寝ている時間の長さや眠気が、どこまでが正常で、どこから異常か」は、
「周りの人(一般)と比べて」です。
つまり、これって、「社会的に問題」「世間の標準と比べて、相対的に睡眠が異常」なんです。
逆に言えば、寝すぎて死ぬことも身体のどこかが悪くなることもありません。
「寝ていても困らない」「自然に起きていられる」
環境にいれば、「困らない」のです。
つまり「相対的な異常」「社会的な異常」であれば、
治療する・しないの選択だけでなく
「それらがそもそも異常だとみなされない場所に行く」
「それらが問題にされない環境に行く」
というのも選択肢に入ると思うのです。
病気、とまではいかなくても、じっと座っているのが苦手だったり、
大きな音や光が苦手だったり、皮膚が弱くてしょっちゅうかぶれたり・・・と、
自分の「困る」につながりやすい特徴も同じです。
知っていれば、
「治す」
「がまんする」
以外にも
「避ける」が選べると思うんです。
「それが普通」の環境に行くことで楽になることもあると思うんです。
無理に今の「普通」に持っていこうとしなくてもいいよね、
と思うことがときどきあります。