こんにちは。
薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃(せきぐちしの)です。
梅雨や冬のシーズンにお世話になるのが防水スプレーですね。
今回は、その防水スプレーについてお話しします。
防水スプレーの使い方は大丈夫?屋内で使うと危険!
先日、新しく買った靴に防水スプレーをかけようとベランダに出ところ、
夫から「ベランダじゃなくて、玄関でいいんじゃない?」
「少しドアを開けて換気すればいいんじゃないの?」と言われました。
これ、結構危険です。
玄関で扉を少しあけたくらいでは、換気が間に合いません。
防水スプレーは性質上、どうしても人体にはあまり吸い込みたくない成分を含んでいて、
しかも、換気が悪そうな場所で使われがちなんです。
どういうことか?と申しますと、
まず、防水・撥水効果のために、フッ素樹脂など、吸い込むと呼吸困難や咳を起こす成分が、
スプレーという細かい粒子(=吸い込みやすい)で含まれています。
更に、これらを溶かしてスプレーするための溶剤が、
頭痛やめまいなどの症状を起こすこともあります。
防水スプレーは、加えて、「いつ」使われるものか、という問題があります。
防水スプレーって、雨や雪の季節に使いますよね?
うららかな春の日差しが続いたら、防水、必要ないですよね?
例えばスキーウェア。
例えば、冬靴。
例えば梅雨時期のくつやかばん。
基本、「外に出たくない」「換気が不十分になりにくい」ときに使われがちなんです。
車の中や部屋の中、玄関など、換気が十分でないところで、使いたくなってしまうものなんです。
もっと言うなら、スキーウェアなど、着たまま、互いにスプレーしあったりしてしまいませんか?
あれ、室内はもちろん、屋外でも危険です。
顔に近いところで、わざわざスプレーしているようなものです。
防水スプレーの缶に「吸い込むと有害・必ず屋外で使用」と書いてあるのに守れないのは、
どこかで「そうは言っても、このくらい平気だろう」という、
自分に都合よく解釈したい、自分だけは大丈夫だという気持ちがあるからだと思います。
しかし、毎年、数十件の中毒報告がある、ということを頭に入れて、
「防水スプレーは屋外で、風下に向かって使う」
こと、守ってくださいね。