こんにちは。
薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃(せきぐちしの)です。
飲めば飲むほどいいという薬はあるのでしょうか?
それについて、考えてみたいと思います。
飲めば飲むほどいい薬はあるのか?
飲めば飲むほどいい薬はあるのか?
私の考えは「ありません。」です。
というか、この質問をする時点で、薬を誤解しています。
薬は「できれば飲まずにいたいもの」だと思っていますし、
世の中での薬の「飲んではいけない」系の薬の扱われ方を見ていると、
みんなそう思っているんだと信じていました。
しかし先日、この質問を友人にされ、そして、一緒にいた人も、
この質問に何ら疑問を持たずにいるのを見て、「そんなことはないらしい」ということを知りました。
あなたに何らかの健康上の不具合が起きたとき、
治すのは薬でも医師でもなく、あなた自身です。
薬は、あなた自身の直そうとする力(自然治癒力)をアシストするものに過ぎません。
そして、薬は「生体になんらかの影響を及ぼす物質」である以上、
さじ加減を間違えれば、毒になりかねません。
「薬は反対から読めばリスク」です、なんて教え方もします。
だからこそ、必要な時に、必要な量を、と言うのです。
少ないと効きませんが、多ければいいとは限らないどころか、
そもそも、生体に、必要以上のものを入れることはリスクなのです。
「薬を誤解している」というのは、
「薬を飲めば安心」と、なんでも薬で解決できる、薬は積極的に飲むイメージがある、
ということに、「ちょっと待ってください」と言いたかったのです。
必要以上に恐れることも拒否することもありません。
現代人には、昔なら助からなかった命を薬で救えるようになったという、
文明の進歩を享受する権利があると思っています。
しかし、一方で、くすりに頼りっきりだからこそ、
「飲めば飲むほどいいっていう薬があるかも!?」と期待するんじゃないの?
と、ちょっと心配になったのでした。