こんにちは。
薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃(せきぐちしの)です。
「痛み止めの薬は効かない」と思っていませんか?
今回は痛み止めの薬が効かないといわれる理由についてお話したいと思います。
痛み止めの薬は効かないの?
痛み止めの薬は、本当に効かないのでしょうか?
市販の痛み止めの薬が効かない痛みの場合や、
まれに体質のため痛み止めの薬が効かないこともありますが、
痛み止めの薬が効かないのは、「飲むタイミング」が間違っていることがほとんどです。
痛み止めの薬について、「なんとなく、飲みすぎてはいけないイメージ」があり、
「痛いなぁ」と思っても、「もうダメだ!」と思うまで、我慢してから飲んでいませんか?
以前、「痛くなったらすぐセデス」というCMがありましたよね?
あのCM、あながち間違いではないんです。
痛み止めの薬(解熱鎮痛薬)は
「痛くなったら飲む」のではなく、
「痛くなりそうだなと思ったら飲む」のです。
その理由は、人が痛みを感じるメカニズムにあります。
人間は、「痛みを脳に感じさせる物質」が発生することにより、痛みを感じます。
市販されている痛み止めの薬は、
「痛みを感じさせる物質」の発生を阻害することにより、効果を発揮します。
ということは、
「すでに発生してしまった痛みを感じさせる物質」には効果がないのです。
痛み止めの薬(歯・お腹・腰の痛み)の薬を効かせるために
「痛み止めの薬を飲むと決めたら、早く飲む」ことが大切だとお伝えしましたが、
「痛くなりそう」がわからない、痛みはどうしたらいいのでしょうか?
「いつもの痛み」ではないものは、痛くなって初めてわかりますよね。
結論からいうと、
「いつもの痛みではないものは、医師の診察を受けて、理由や対処法を確認する」
ことをお勧めします。
痛みは、「身体からのアラート」なのです。
「歯が痛い」「お腹が痛い」「腰が痛い」などの痛みを、
「痛いだけだから」と、痛み止めの薬で抑えてやりすごすうちに、
大きな病気を見過ごしていて、どうにもならない状態になっていた、なんてことにもなりかねません。
なんとなく不安になりながら、
「とりあえず痛みを抑えて様子を見よう」と思うよりも、
原因がわかっている痛みを、
「これは痛み止めの薬で抑えれば大丈夫」と思う方が、はるかに安心して薬を飲めます。
「市販の痛み止めの薬は、原因がわかっている痛みに対して、
『痛くなりそうだ』というときに飲む」と覚えて下さい。