こんにちは。
薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃(せきぐちしの)です。
「「バファリン」の半分は優しさでできている」というCMをご存知ですか?
今回は、「「バファリン」の半分は優しさって本当か?」についてお話していきたいと思います。
「バファリン」の半分は優しさ(やさしさ)って本当?
「「バファリン」の半分は優しさ(やさしさ)とぼったくりでできているって本当ですか?」
と、ある方に訊かれました。
「バファリン」がCMで
「「バファリン」の半分は優しさでできている」
という有名なフレーズを使っていたことから、
「半分は優しさでできている」は、「本当ですか?」
と訊かれることが多いです。
「バファリン」には、半分とは言いませんが、優しさが含まれています。
ここでいう優しさとは、胃を守る成分のことです。
「バファリンA」をアスピリン量で考えると、
冒頭の質問「「バファリン」の半分は優しさとぼったくりでできているって本当ですか?」
に対する私の考えは、
「金額的にそれほどぼったくりとは思えません。」
ということになります。
その理由について、さらに具体的にお話ししていきましょう。
「バファリン」の半分は優しさ(やさしさ)って本当?成分を確認
「バファリン」シリーズの痛み止め(解熱鎮痛薬)は、CMのフレーズ通り「胃を守る成分配合」なので、この「胃を守る成分」を指して「優しさ」と表現しているようです。
「バファリン」に含まれる胃を守る成分の容量は、全体の4分の1くらいなので、量が「半分」なわけではありませんが、まぁ、「半分はやさしさでできている」は、嘘ではない、と思います。
「バファリン」と言って、多くの人が思い浮かべるのは紺色のパッケージの痛み止め(解熱鎮痛薬)、「バファリンA」でしょう。
「バファリンA」の有効成分はアスピリン(アセチルサリチル酸)です。
「バファリン」1錠あたり、330mgのアスピリンを含みます。
「バファリン」10錠の一番小さい箱が400円。
それを、1回2錠飲むので、1回あたり80円、アスピリン100mgあたり12.1円です。
では、他のアスピリンの製品はどうでしょう?
アスピリンは、もともと、ドイツのバイエル社が開発した成分であり、世界的には「バイエルアスピリン」が本家本元です。
日本では佐藤製薬が「バイエルアスピリン」を販売しています。
(余談ですが、バイエルのアスピリンは、世界中で同じようなパッケージデザインを採用しているそうです。)
バイエルアスピリンは1回1錠500mg、10錠包装が480円です。
つまり、1回あたり48円、アスピリン100mgあたり9.6円です。
以上のことからも、「バファリン」が「ぼったくり」というほどには高くないかな、と私は思います。
「「バファリン」の半分は優しさ」よりも注意しなければいけないこと・1
「バファリン」で最も注意しなければいけないのは、優しさでもぼったくりでもありません。
「バファリン」は、薬の名前ではなくライオン株式会社のブランド名だということです。
それなので、「バファリン」といっても、何が入っている薬かはわからないのです。
つまり、「「バファリン」をください」と薬局で言っても、望みのものが手に入るかはわからないので、自分が欲しい「バファリン」が何なのかを知らなければならない、ということです。
次の項で、もっと専門的にお話しをしていきましょう。
「「バファリン」の半分は優しさ」よりも注意しなければいけないこと・2
薬情報コンサルタント・薬剤師として「バファリン」という薬について話すとき、もっとも気になるのは、「優しさ」でも「ぼったくり」でもなく、「バファリン」はブランド名だということです。
「バファリン」には、バファリンAだけでなく、違う種類の痛み止めの成分のものや、かぜ薬まであるからです。
なぜ私は、「バファリン」がかぜ薬もあることが気になるのか?
それは、医療用医薬品の「バファリン」の有効成分がアスピリンであり、
元祖バファリンが「バファリンA」のため、薬局で「バファリンください」と言うと、
薬局側は、無意識にアスピリンが主成分の「バファリンA」を渡す場合があるからです。
しかし、バファリンルナ、バファリンプレミアム、小児用バファリンの主成分は「イブプロフェン」や「アセトアミノフェン」です。
これは、アスピリンではありません。
(引用:http://www.bufferin.net/navi/)
仮に、「青っぽい箱」と箱の色を考えても、バファリンAもバファリンプレミアムも、青っぽい箱なので、
きちんと伝えないと、思い通りの薬が手に入らない!なんてことが起きてしまいます。
「何でもいいやー」とこだわらない方はいいのですが、
自分はこれ!と決めている方は、あなたが望む「バファリン」は「バファリン」のうちどれなのか、そこまで覚えてくださいね。