貧困女子高生問題に思う(2)

薬剤師コーチの関口詩乃です。

長くなるので本題は次回に!と言ったまま、2か月以上経ってしまいました。

ごめんなさい。

今更感満載ですが、前回の続きです。。。

 

2)子供の貧困がもたらす困難について

相対的貧困について話をすると、

「本当に貧乏なら、そんなに部屋の中がモノであふれていないはず」

「あんなにモノを買えるのに貧乏なんて」

ということをよく耳にします。

 

うーん。

ちょっと想像してほしいんです。

 

ずーっとお金に困る生活をしているお家に生まれ育ったとします。

物心ついたときから、欲しいものがあっても買ってもらえません。

保育園・小学校・中学校と、周りのお友達がもっているおもちゃや文具。

友達同士のコミュニケーションツールにすらなっているゲーム。

どこかの段階で、自分の家がお金がないとわかるようになったら、なおさら「欲しい」なんて言えません。

 

ずっと「欲しい」という気持ちをあきらめてきた子が高校生になって、アルバイトして自分でお金を稼げるようになったら・・・。

 

ずっと抑えつけられてきた物欲が爆発しても無理はないと思いませんか?

 

親御さんの教育方針で「ゲームは持たせない方針です」等というのとは、わけが違います。

「持たない」と「持てない」は大きな違いです。

特定のものを「理由があって」「敢えて」「持たない」はその家族の選択の結果ですが、

「持てない」は強制力なのです。

 

物欲や衝動を制御できるようになるには、経験の積み重ねが必要です。

人は成長過程で、物欲や衝動が小さなうちから、小さな制御をすることを積み重ねて制御力を身につけます。

それを、制御を学ぶ機会のなかった子供に対し、「制御」ではなく「抑圧」で抑えつけられて大きくなった物欲の衝動を、どうやっていきなり抑えろというのでしょう?

抑えられないのはその子のせいですか?

 

更に、

「コストパフォーマンスの良いお金の使い方をする」

「本当に欲しいもの、本当に良いものを選ぶ」

ためには、経験だけでなく情報も必要です。

 

しかし、貧困の中で育つことで、「モノやコトを自由に選んで見極めて得る経験をする」という環境にいないため、

必要な情報につながるどころか、そもそも「そのような情報がある」ということを知らずに育ってしまう危険すらあります。

情報は、本当に必要な人にほど届かない・・・と思ったことすらあります。

 

また、「専門学校や大学への進学希望があるなら、稼いだお金をなぜ貯金しないんだ?」という意見もあります。

一見、もっともです。

 

しかし、将来に対してお金を貯めようと思うのは、未来を信じることができる人が、未来をデザインできる場合のみです。

 

その日その日をどうやって暮らすか、という家庭で、どうやって未来をデザインできるのでしょう?

しかも、もし稼いだお金を貯めておいたとして、そのお金、明日には「生活費が足りない」と使われてしまうかもしれません

 

大人なら断ることもできるかもしれませんが、相手は子供です。

親に生活費として家に入れてくれないかと言われて、子供が断れますか?

そんな危険があるなら、今のうちに、欲しいものに使ってしまおう、と思いませんか?

 

・物欲や衝動を制御すること

・よりよいモノやコトにつながるための情報を得て経験を積むこと

・未来を信じる力

・貯蓄を目的のために本当に使える、という信頼

 

貧困であるが故に、これらのことを身につけられないからこそ、問題が起きているのです。

しかも、これらに起因する問題は、大人になってもずっと続く可能性が高いです。

年齢が上がればどうにかなるものではなく、経験の積み重ねで獲得するものだからです。

 

そうやって子供の貧困がいつしか大人の貧困となり、次世代に子供の貧困を連鎖させていく。。。

そうはなってほしくありません。

 

子どもの貧困は、この国の未来につながる大問題です。

でも、だからこそ。

もし、子供の貧困を助けることができたら、未来への影響が大きいなぁと思っています。

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