愛情が負担になるとき

こんにちは。
薬剤師コーチの関口詩乃です。

 

やりたいことをやるのに、必要以上にエネルギーがかかるって、大変ですよね。

しかも、その原因が愛ゆえだと・・・悩む人は多いです。

 

就職活動で「オヤカク」なる言葉があるそうです。

オヤカクとは、我が子の就活に干渉する親たちがいるために、内定を出す企業側が、学生の親に連絡を入れて入社の確認をとることをいう。
(Wikipediaより)

親の反対による内定辞退を防ぐためのもので、就職活動に対する親の関わり方が変わってきたことや、少子化によって、子どもの教育や就職への思い入れが、「かつてと比べると格段に強くなっている」からだそうですが(弁護士ドットコムより)、20世紀末の私の就職活動でも、「オヤカク」があったことを思い出しました。

 

入社予定の北海道企業から
「北海道外出身の学生の親御さんには、人事責任者が出張の際にご自宅を訪問させていただきます」
「お子さんが北海道企業である当社で働くことを本当にご許可いただけるのかというのもありますが、当社や北海道企業に対するご不安も大きいと思われるので、当社がどんな環境のどんな会社なのかを、直接親御さんにお話してご安心いただきたいのです」
と言われ、

「北海道から静岡県の片田舎にいらっしゃる!?」

と驚いたものです。

(今思えば、道外出身者を採用しては家族の反対で入社辞退・・・ということがあったのだろうと推察します。)

しかも道外出身とは言っても、すでに北海道で学生生活を4年間送っていたため、すでに「道外人」という感覚もありませんでした。
何より、北海道の下手な田舎よりも実家からの方が、札幌へのアクセスいいじゃん!と思ってました。

 

こんな感じで自分にも「オヤカク」があったので、最近のニュースの「オヤカク」問題を読んだり聞いたりしても、何が問題なのか今一歩わからなかったのですが、要は確認が「念のため」ではなく「本当に確認」になっているんですね。
・就職する歳の子どもに親が干渉する度合いが強い
って、大変な時代だなーと思いました。

だって、好きなことをするのに、その「好きなこと」が親の意向と異なる場合、反発にしろ説得にしろスルーにしろ、余計なエネルギーが必要だってことですもん。

そして、誰もが余計なエネルギーまでかけられるとは限らないですから。

親と自分の「やりたいこと」が一致していても、「一致していることを確認するのに必要なエネルギー」だけなら応援者に対するマナーかもしれませんが、「一致しているかどうかを常にエネルギーを使って気にする」ことが必要になりますし。

しかも、あくまでそれは「子どもに対する親の愛ゆえ」ですから。
悪意ではなく、愛や善意から出ている以上、逆らう罪悪感等もつきまといますし。
愛情って、大変です。

どうやったら、愛ってうまく作用したり伝わるんだろう?なんてことまで考えてしまいました。

 

就職も転職も退職も事後報告だった私としては、やっぱり「大変な時代だなー」と思うとともに、特に意見を差し挟まなかった親の勇気を改めて感じました。

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