こんにちは。関口詩乃です。
今朝、めざましテレビで(信憑性はともかく)「若者に編み物がはやっている」という話をしていたので、2017年くらいから思っていた、無意識でマインドフルネスを求める人が多いんじゃないかっていう感覚を文章にしてみました。
前提として、手芸系の趣味にも流行がある、と思っています。
ユザワヤさんみたいな手芸用品店で、店頭とで大きくスペースを割いたりしているものが変わっていくのです。
もちろん、何十年も編み物が好き、洋裁が好き、パッチワークが好き、という人たちもいますし、その道のプロもいます。流行で始めてずっとはまっていく人もいます。
そこは他の趣味、例えばキャンプブームに乗ってキャンプを始めたがブームがおさまってもキャンプを続けている、なんならキャンプ教室始めてしまう、みたいなことと一緒です。
私、手芸の流行りには一通り乗ってみるタイプ。
そして「これは1回やってみただけでいいな」とか「これは続けよう」とか取捨選択するのです。
何が流行っているかは100円ショップに行くとわかります。
道具や材料が100円ショップで販売しているものは相当流行った(流行後期)のものです。
これまでだと、2017年くらいから(他にもいろいろありそうですが)
・タティングレース
・ダイヤモンドアート
・刺し子
・編み物
といったところでしょうか。
めざましテレビでは編み物をする若者を取り上げ
・すぐにできる
・作ったものを使ったりプレゼントする
・みんなで集まって編み物をしたり、一人で編み物時間を過ごしたりする
・没頭できる、何も考えなくて済む
という話をしていました。
この話を聞いて、やっぱりそうだよね、と思ったのは、これらの手芸の流行の裏にあるのは
・難しくなく、道具も揃いやすく誰でも手軽に始められる
・長時間かけて大作をつくるというよりは手軽にできる小物をつくる。
・1人でもできる
・人と一緒にやるときも、それぞれが個人作業を自分のペースでしながらゆるく繋がれる
・繰り返し作業
という、道具や材料や作り方の変化と、人のつながり方や心を整えるニーズなんじゃないか、ということです。
前述したとおり、流行れば道具はと材料は100円ショップでそれなりに揃うので、初期費用は昔よりずっと下がりました。
(それでも、例えば言ってしまえばただの棒なのに、100均の棒針とクローバーの匠(高級棒針)は編み心地や作品の仕上がりが全然違うという事実があり、道具ってすごいなって思います)
編み物で言うなら、毛糸の種類も豊富になり、扱いやすく、見栄えがする糸が安価で売られるようになりました。
しかも今は動画の時代。
昔のように手芸本の写真と説明を三次元を想像しながら見たり読んだりしなくても、基本動作から作品の作り方まで、それこそ手芸用品メーカー公式から趣味でやっている人まで、いろいろな人がUpしている動画がたくさんあり、わかりやすく学ぶことができるようになりました。
道具や技法も進化していて、どんどんやりやすくなっていますし、短時間で完成する作品も多く開発されています。
そんなハードの進化もありながら、ずっと思っていたのは、
「今、無意識でマインドフルネスを求める人が多いんじゃないか」
ということです。
だれでもできる単純繰り返し作業に没頭する。
これはまさに、一つのことに意図的に注意をとどめるというメディテーション(アテンショントレーニング)だよね、と。
前述した流行りの手芸には、もうひとつ「難しい作品をつくらない」という特徴があります。
例えば、複数の色を編み込んだり、自分で図面を引いたりと複雑なことをやるよりは、太めの(扱いやすい)毛糸で同じ編み方を繰り返して数時間でミニマフラーをつくる、みたいな。
凝った作品を作ることよりも、単純作業を続けることに価値を感じているような気がするのです。
もちろん、そうやって始めた人の中で、どんどん大作やオリジナル作品に向かっていく人もいますが、多くの人はそうではなく
・「繰り返し作業に没頭する時間」を楽しむ
・それらを一人でじっくり楽しんだり、仲間とその時間を共有する(瞑想会で同じ場所でそれぞれに瞑想する、そしてその時間の合間にゆるいつながりを持つ、みたいな)
・そうやって心を整えた時間や心の状態が作品として目に見えることを楽しむ
なんじゃないかと思っています。
(同じような例を挙げるなら「手帳時間」もジャーナリング的なマインドフルネス志向なんだろうな、と思っています)
野菜を切ったり、縫物をしたり、もともとの生活習慣の中にマインドフルネスは存在している。
そんなことを改めて思いました。
もし少しでも興味があれば、ぜひ試してみてくださいね。案外、自分にあった趣味とマインドフルネス習慣が一緒に手に入るかもしれません。
そして…誰か私と一緒に刺し子時間とか編み物時間を過ごしてくれないかなあ。