札幌マルヤマンとコーチングと私(20)

こんにちは。薬剤師コーチの関口詩乃です。

このお話は「札幌マルヤマンとコーチングと私」
第1章:円山動物園に行くまでの経緯:(1)(2)(3)(4)(5)
第2章:円山動物園で見たこと:(6)(7)(8)(9)(10)(11) 、
第3章:講演実現まで:(12)(13)(14) 、(15)(16)
第4章:講演準備:(17)(18)(19) の続きです。

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ところで。

打ち合わせから3日後、夜には東京に戻る日。
今回の札幌滞在の予定の1つだった、円山動物園に行った。

今回円山動物園に行ったのには、いくつかの理由がある。

秋の講演を聞く前に、もう一度円山動物園を見ておきたい、というもっともらしい理由もあったが、

・冬に生まれたホッキョクグマの子どもが見たいラブラブ!

・今まで時間が合わなくてみられなかった体験メニューが見たい音譜

というのが主な理由だった。

 

で、まず、ホッキョクグマ。

本っっっっっ当にかわいいドキドキ

まだ泳ぐのもぎこちないし、プールから上がろうとして滑るし、歩いても泳いでもかわいい。

ただそこにいるだけでかわいい。

ついつい、見つめ続け、写真や動画を撮ってしまう。

いやぁ、ほんとかわいかったラブラブ!

 

ところで、当日の「ドキドキ体験メニュー」は入り口に掲示されているのだが、
その日は「レッサーパンダの外吊り橋ウォーキング」と「猛禽類のフリーフライト」があった。


(↑入口の掲示)

 

時間と場所を確認して、他の動物を見て、お土産を買って、休憩をして、と、時間調整。

 

そんなことをしていたら、あっという間に時間が過ぎ、レッサーパンダに向かう。

レッサーパンダの室内飼育場にも橋がかかっているのだが、

外の吊り橋の方が、迫力がある。

しかも、飼育員さんの解説が面白い!

レッサーパンダに見どころがあるなんて知らなかった(^^;

 

レッサーパンダのあとは、フリーフライトを見に野外ステージへ。

フクロウとトビのフライトは、迫力満点だった。

しかも希望者は自分の手に止まらせる体験までできる

 

途中まで動画を撮ったけれど、飛ぶ早さに追いつかない。

「写真や動画より目に焼き付けよう」と、ひたすら見つめるだけに作戦変更した。

 

このフリーフライト、鳥に目を奪われるが、

飼育員さんのショー

でもあると思う。

 

フクロウやトビの習性、

「信頼関係はゼロです」

と言った、ヒトとの関わりなどの解説が、とても興味深く、ついつい引き込まれる。

 

なぜこのトビがフリーフライトをやっているのか、という話がとても印象的だった。

このトビは、人が卵を拾い孵化させ、円山に連れて来られたこと。

最初に人間を見てしまったため、つがいになれず、生涯1羽で生きていかなければならないこと。

それでも、こうやってフリーフライトで飛ぶことで活躍の場を与えられていること。
飛ぶ姿を間近で見ながら聞く話は、とても心に残り、いろいろなことを考えるきっかけになった。

 

ところで。

 

前夜、そして当日朝と、円山動物園はニュースで叩かれまくっていた。

道内ニュースだけでなく、全国版のニュース番組で、フリップや時系列表まで作成されて叩かれている。

 

前日に、キリンのナナコが死亡したのだ。

 

特にシマウマの飛馬の死亡から1週間程度しか経っておらず、

飛馬もナナコも新たにオープンするアフリカゾーンへ移動するはずだった動物であり、

管理や体制が取沙汰されていた。

前日の北海道マラソンよりも、はるかに時間を割いてニュースで取り上げられていた程だ。

 

よりによってナナコか、と思った。

ナナコは人気者だった。

小柄なメスだが、2011年には子供も産んでいる。

そして、ナナコは2009年にやってきたとき、園内セブンイレブンの縁 で「ナナコ」と名付けられている。

しかも円山で生まれ育ちたくさんの子供を産んだ先代「タカヨ」の孫だ。

これからの繁殖も期待されていた。

実は動物園の入り口には、テレビ局などの報道カメラマンがカメラを構えていた。

 

そんな中、キリンがいる熱帯動物館に行った。

この建物は古い。

薄暗くて、臭いがきつい「昔の動物園ってこんな感じ」な建物だ。

 

屋外の飼育場では、アフリカゾーンへの引っ越し用の檻が設置されていて、

「ナナコの分の移送用の檻、無駄になっちゃったなぁ」

と寂しくなる。

 

建物の中では、ナナコの献花台が設置され、花やエサが捧げられていた。

同じ建物の中には、1週間ほど間に死亡したシマウマの飛馬の献花台もある。

 

シマウマとキリンという、人気者が2頭、相次いで亡くなったのだ。

実際に動物園に足を運べば、余計にそのショックの大きさを感じる。

 

そんな中、訪れた人に「今回の動物の連続死をどう思いますか?」とマイクを向けるレポーター。

 

「残念なことです」

「もっとしっかり飼育してほしい」

と、マイクを向けられた人は答えていた。

 

テレビカメラを避けるために迂回すると、壁際に目立たないように立っている飼育員さんが目に入った。

思わずそちらに目を向けると、そっと目礼、というか黙礼される。

 

インタビューを受けた人のショックもわかる。

検証して改善につなげることが必要なのもわかる。

 

だけど、だけど、きっと飼育員さんの方が、もっとショックを受けてるんじゃないかと思った。

飼育員さんだって、悲しくないわけがない。

比べることではないが、普段、より近くで動物に接している飼育員さんの方が辛いよね、と思った。

 

それでも彼らはそこに立ち、会場整理をし、批判の声を黙って聞いていた。

 

サル山・・・は冬から改修中なので、熱帯動物館の屋外にいるにサルを見ながら、

たった今見てきた光景を思い出していた。

雪が積もる地域の動物園で熱帯地方の動物が元気に生きるために、どれだけの世話が必要なんだろうと思う。

でも、「何も起きなくて当たり前」であって、今回のようなことがあれば、批判の的になる。

 

検証して改善につなげることはとても大事だ。

しかしそれは、目の前で批判していい理由にはならない。

 

そんなことを思った。

 

この日の熱帯動物館を思い出すたび、

何か今の円山動物園を応援することがしたい、と思った。

 

ICF Japanからの寄付もだが、講演してもらうことで、円山動物園を知り、応援する気持ちを持つ人が増えてほしい、そんなことを思った。

 

この日まで、「コーチングの成功事例」として、円山動物園のことを知ってほしかった。
だけど、この日以来、「円山動物園を応援してほしい」、そのためにも、円山動物園のことを知ってほしい、どういう道のりで再生してきたのかを知ってほしい、と思うようになった。

(続く)

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