札幌マルヤマンとコーチングと私(1)

こんにちは。薬剤師コーチの関口詩乃です。

私が、なぜ・どうやってコーチングによる札幌市円山動物園の再生を知り、興味を持ったのか。
再生をリードした北川氏の講演をどうやって実現したのかという物語です。

2010年から5年以上、何度も書こうとしては書けなかった事が、今ならようやく書けけそうな気持ちになり、連載することにしました。

今日からしばらく、お付き合いしてもらえたら嬉しいです。


2015年11月14日、国際コーチ連盟日本支部(ICF Japan)主催で、
Coaching Conference in Japan 2015
を開催した。
東京国際フォーラムで開催した、200人規模の大きなイベントである。

2013年から運営に関わっていた私は、2年連続でカンファレンスの運営にも携わっていた。

 

このカンファレンスの演者のお一人として、
コーチング(等々様々なこと)を導入し、札幌市円山動物園の再生を行った、
札幌市職員の北川憲司氏を推薦し、実際にご講演いただいた。

私にとっては、
「円山動物園でのコーチングの取り組みを東京で話してほしい」
という2010年の夏からの私の夢を、
ICF Japanのカンファレンスに相乗りさせてもらったのだ。
打ち上げではICFJの理事や運営委員など一緒にスタッフをした仲間から、
翌日以降は会場に足を運んでくださった知り合いの方々から、
「北川さん(の講演)、良かったねー!」
「いやー、いい人を連れてきてくれたよ!」
「もっとお話を聞きたいよね!」
などなど、多くの肯定的な感想を聞いた。
「誰も知らなかった人にオファーして登壇してもらって、
その結果みんなが感動して良かった、もっと話を聞きたかったって言ってるって、すごいことだよ」
とも言われた。

 

確かに企画段階で提案したとき、北川さんのことを知っているメンバーは誰もいなかった。
私だって、ご本人にお会いしたことすらない。

一方、200人規模の会場を借りた以上、そしてお金に全く余裕のない団体である以上、集客は必須である。

 

「知られていない人の講演で、集客できるのか?」
という疑問も当然あった。

 

その気持ちは良くわかる。
私は「絶対、(円山動物園の)話は聞くべきだ!」とすら思っていたが、
逆の立場であったとしたら。
自分が他の人から聞いたことがない内容と人の講演を、集客のプレッシャーが大きいイベントで提案されたら。
しかも提案している人間が熱意で冷静に判断できてなさそうだったら。
間違いなく、とても不安になる。
まず反対すると思う。

 

プログラムミーティングで、どうかな、ダメかな・・・と控えめっぽいことを言いつつ、しかし決してあきらめる気はなさそうな私に、やれやれと言う感じで、T氏は言った。

「で、なんでその人(北川さん)に話してほしいの?」

 

「大きなコーチングの会社ではなく、地元のコーチが関わった事例だから」

「コーチングを学んでコーチになった人が自分の組織コーチングを導入したのではなく、コーチじゃない組織人が組織開発の手段としてコーチングを導入して成功した事例だから」

「『導入しました!上手くいきました!』で終わりではなく、ある程度年数が経って、『結局、その後どうなった?』までわかる事例だから」

 

T氏「成功って?何か見える形になったの?」

 

「入場者数がV字回復してるの!」

「何より、動物園に行ったときの活気というか雰囲気というかが、前と全然違うの!」

 

そう。
企画を通すために、人を納得させたり説得するときに、数値データはとても強力だ。

でも、私が円山動物園が再生した!と思ったのは、
2010年夏に訪れたときの、
「記憶の中とはあまりにも違う、活気づいた円山動物園」
を目の当たりにしたからであり、
どうしてもあのときの衝撃が忘れられないからだった。

(続く)

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