危険ドラッグは何が危険なのか

こんにちは。

薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃(せきぐちしの)です。

 

危険ドラッグは危険であるという認識を持っている方は多いはずです。

その一方で、「危険ドラッグの何が危険といわれているのか?」

については理解されていないこともあるかと思います。

危険ドラッグは何が危険なのか

 

「ダメ、絶対」的な、「薬物は使っちゃいけません」系の危なさ以外にも、

「何が入っているかわからない」という意味で、非常に危険です。

何で起きたかわからない反応は、止め方も回復のさせ方もわかりません。

つまり、いちど使って何か起きたら、薬が抜けるまで、

息が詰まろうが死にかけようが、助ける手段がないということです。

 

危険ドラッグはハーブか?」の記事で、

危険ドラッグは「ハーブじゃなくて合成した薬物だ」というお話をしました。

 

薬情報コンサルタント・薬剤師の私からしたら、

「下手な麻薬よりも、ある意味危ない」と思っています。

 

「合法」「脱法」と呼ばれてきた歴史の通り、

「まだ違法だと認定されていない」成分を使っているのが「危険ドラッグ」の特徴です。

 

見つけてから違法薬物に指定するまでの時間がどんどん短縮される中、

危険ドラッグは、構造を少しだけ変えたものが、

まるでいたちごっこのように、どんどん出てきます。

 

そして、

「まぶしてあるクスリが、どこでどうやって作られてる、どんなものだかわからない」

ことに怖さの本質があるということを前回、申し上げました。

 

どこでどうやって作られているかがわからなければ、

どんな不純物が入っているのかもわかりません。

そして、入っている不純物、合成の途中で発生するような物質が、

どんな作用を身体に及ぼすのかも、全くわかりません。

 

さらに、主成分ですら、どんな作用を起こすのかわからないのです。

本当に(この効果が良いか悪いかは別として)効くのかすらわからない。

どのくらい身体に害があるのかもわからない。

最悪、いい気分になるどころか、いきなりバッド・トリップしたり、

生命の危険があるかもしれない。

 

違法薬物には、もちろん臨床試験なんてありませんし、

製品のクオリティ基準もありませんから、

ある意味、「いつでも人体実験」状態なのです。

 

そして、「何が入っているかわからない = 何か起きても、どうしてそうなったのかわからない」ので、

危険な状態に陥っても、打つ手が無いか、非常に少ないのです。

 

ここまでわかっても、それでも危険ドラッグを使いたい、

何もかも忘れてハイな状態になりたい。。。

万が一、そう思っている方や周りにそういう方がいらっしゃったら。。。

 

それは、既に、心の危険領域を超えています。

ハイになっても、恐らく解消しません。

カウンセリングを受ける・メンタルクリニックに相談するなど、

医療の必要な領域に入っています。

 

そして、もし、既に使用している場合は、

薬物問題を扱っている精神科や専門施設に相談してください。

 

危険ドラッグ、従来の薬物よりも手に入りやすい、手近・手頃だと言いますが、

倫理や違法薬物一般への危なさを差し引いて、それでもなお、

「クスリでは幸せになれないにしても、いきなり不幸はないだろう」

とすら思う、危なさです。

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