札幌マルヤマンとコーチングと私(8)

こんにちは。薬剤師コーチの関口詩乃です。

このお話は「札幌マルヤマンとコーチングと私」
第1章:円山動物園に行くまでの経緯:(1)(2)(3)(4)(5)
第2章:円山動物園で見たこと:(6)(7) の続きです。

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H先輩は「ホッキョクグマ見に行こうね」と歩き出した。

S「『ヒトによる再生を目指している』ってどういうことですか?」

 

H「つまりさー、動物園のリニューアルっていっても、円山動物園はお金がないから、古い施設をバンバン新しくする、とか、箱モノ的なことはなかなかできないわけさ」

S「えっ?さっきのオラウータンのところ、新しくなってましたよね?」

H「すこしずつね。だけど、あれも『全面建て替え!』ってわけにはいかなくて、『改修』なわけよ」
H「オラウータンの遊具とかも、手作りなわけさ」

H「ならどうしたら楽しい動物園になるかって考えたときに、使えるものは人のチカラだったんだよね」

S「でも、みんなが看板を描けたり子供の相手が好きなわけじゃないですよね?」

H「もちろん。だから最初は、結構たくさん反対もあったみたいだよ」
H「だけどさ、好きなことなら、人間は前向きに頑張れるじゃない?」
H「例えば詩乃ちゃんもさ、札幌とか北海道とか薬のことなら、頼まれなくても仕事するでしょ?」
H「そして、その事が好きな人が伝えれば、きっと、いい事が伝わるでしょ?」
・・・確かにそうだ。

H「で、飼育員さんっていうのは、動物のプロで、しかも動物が好きなのさ」

H「だけどさ、世知辛いことを言うと、看板1枚、カード1枚、タダじゃないのよ」
・・・そりゃそうだ。霞から合成できるわけでもあるまい。

 

そんなことを話しながら、ホッキョクグマの前についた。

H「それにしても、円山(動物園)はついてるんだよね」
・・・ついてる?ラッキーってこと?

 

H「そこに、看板あるしょ?」
H「今年の春に帯広に行っちゃったんだけど、ちょうど動物園の再生を始めて、お客さんが増えてほしい!ってときに、ホッキョクグマの双子ちゃんが生まれたのよー」
H「可愛いんだわ、これが」
・・・見たかった!!!

H「さっきのオラウータンもだけどさ、再生を始めてからの円山(動物園)は、今、ベビーラッシュなんだわ」
H「やっぱり動物の赤ちゃんは可愛くってさ、見に来る人も増えるわけさー」

見たかったなぁ、ホッキョクグマの双子ちゃん。。。

たしかにそれなら、
「ホッキョクグマの双子の赤ちゃんが見たーいドキドキ
ってリピーターになるカップルもいそうだ。

H「それにね、ホッキョクグマが動物園で子供を産み育てるって、実はとっても難しくて珍しいんだって」
H「要は物園としての、高い繁殖技術・飼育技術の証明でもあるのさ」

 

H「あと、ホッキョクグマは環境問題の象徴的に取り上げられてることもあってさ」
H「環境問題に注意を払ってますっていう企業に、ホッキョクグマのスポンサーになってもらったりしてるのよ」

H「あと、動物のキャラクターを使ってる、みたいな会社に、その動物のスポンサーしてもらったりね」

H「企業だけじゃなくて、市民にも『この動物を応援します』っていう、会員制度があるんだ」
(註:アニマルファミリー。現在は「さっぽろ円山動物園サポートクラブ」(通称:サポクラ・・・まんまだな)に発展的解消)

H「会員になると、ニュースレターが送られてきたり、イベントがあったりするんだ」
H「結構面白いよ」

なるほど。

人のチカラでと言っても、お金はかかる。
それこそ看板1枚、カード1枚でもお金はかかる。

来園者が増えるということは、動物園の存在を多くの人が認めている、ということでもあるけれど、動物園の役目は「ただ人が楽しく過ごす場所」だけじゃない。

希少動物の保護や繁殖も動物園の役目だし、動物への理解や教育の役割も担っている。

そして、動物を飼う・施設を維持するだけでも莫大なお金がかかるところへもってきて、新しいことをやるには必ず財源が必要になる。

私は「いろんなことをやってる」と言っていたH先輩の言葉を思い起こしていた。

(続く)

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