室温保存と言われた薬を、冷蔵庫に入れてしまいました

薬のあらゆる「?」を解決する薬相談の専門家、
薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃です。

 

先日、あまりの暑さに、
「私達って、薬の普通の保管条件から外れた環境で暮らしてるんだね」
と言ったら、誰にも通じませんでした。。。そりゃそうだ。。。

 

 

、、、気をとりなおして、本日の薬の話しです。

 

薬って、「室温」で保管してください、
と言われることが多いのですが、

さて、、、

 

 

この「室温」って、何度でしょう?

 

薬の世界では、
「室温」「冷所」
の温度範囲が決まっています。

 

室温は1~30度。
冷所は1~15度。

 

冷蔵庫の中も「室温」の範囲。

だから、「室温保存と言われたのに、うっかり冷蔵庫で保存してしまった」と言う場合も、
全く心配ありません。

 

 

一般に、温度が低い方が、モノの化学的性質は安定することが多いので、
よっぽど「冷蔵庫に入れないでください」と言われない限り、問題ありません。
そもそも、北海道の冬の家の中の温度は、
本州の冷蔵庫の中と変わらなくなったりしますしね。

 

冒頭の「薬の普通の保管条件」に戻りますが、
ここで、面白いものを見つけました。

 

先日、ロキソニンとロキソニンSがどう違うのか?というお話をしましたが、
保管方法についても表現が違いました。

 

OTCのロキソニンS  :直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管して下さい
処方薬のロキソニン:室温保存

 

なるほど、一般の方向けになると、こういう表現になるのかと。

 

最近の東京の気候と薬の関係

 

薬の保管条件で大事なのは、温度だけではありません。
もちろん、温度・光・湿度にも影響を受けます。

 

薬の世界で「室温保存」というのは、

「直射日光の当たらない湿気の少ない涼しいところ」

になるんですね。

 

とここで、ある疑問が。

「室温って、30度までじゃないの?」
「最近の東京って、30度以上って、普通だよね。」
「むしろ全国的に、30度って、、、」

 

 

薬を長期間保管したときに成分が変わったり減ったりしないかを見る
「長期試験」という試験があります。
この試験は、室温25度、湿度60%(光は通常の部屋の明るさ)という条件で
1年間の安定性を見ています。

 

ですので、確かに 室温は30度までですが、
「薬の普通の保管条件」は、この25度、60%湿度、
普通の部屋の光、なんだろうなと思います。

 

また、薬は、どのくらい保存可能なのかを見るために「加速試験」という、
通常の保管条件よりも厳しい条件で、半年ほど成分や色などの変化を見ます。

 

このときの条件が「40度、75%湿度」です。

 

また、この「長期試験」と「加速試験」の間の条件、
「30度、75%湿度」で、薬の状態や成分の変化を見る
「中間的試験」という試験もあります。

 

このような試験を行うことで、薬がどんな環境なら、
どのくらいまで状態や成分が保たれるかを調べ、
安全に使えるようにしています。

 

・・・そんなことを考えていて、思ったんです。

 

最近の東京の気温、
薬でいうなら(環境をシビアにして、安定性を試す)加速試験の環境に近いんだよね、って。

 

薬が変色したり成分が変わったりしやすくなる環境は、
人間も疲れやすかったりバテたりするよね、と覆いました。

 

暑い日が続きますが、適度な水分をとって、
直射日光を避けて、エアコンをうまく使って
湿度が高すぎない涼しい場所にいるようにしてくださいね。

 

あ、人も薬も、壊れない環境は一緒ですね(^^;

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