線虫でがん診断!?

診断

こんにちは。

薬情報コンサルタント・薬剤師の関口詩乃(せきぐちしの)です。

 

今までの検査では検出できない時期のがんも簡単に診断できるようになる可能性がある、

というニュースに関するいろいろな記事や意見を読み、どうしてもお伝えしたくなったので、

「線虫とがん」についてお話しします。

 

線虫でがん診断!?

 

線虫が尿のにおいに反応、がん診断に道」というニュースがありました。

 

「尿1滴でさまざまながんを約95%の精度で検出できるようになる」

「費用は数百円、結果がわかるのも1時間半と早く、実用化しやすい」

「がん患者をがんと診断できる感度は95.8%、

健常者を健常者と診断できる特異度は95.0%といずれも高く、

腫瘍マーカーなどによる診断より圧倒的に優れていた」

とのことで、期待大です。

 

さて、この記事。

「2019年ごろには、診断技術として確立し、10年後には広く普及させたい。

実用化が進めば、医療費の抑制にもつながるだろう」

と言っています。

 

この見通しについて、

「早っ!」

と思いましたか?

それとも

「えっ?そんなにかかるの?」

と思いましたか?

 

人間は期待する生き物です。

日本人の40-80代の死因のトップが悪性新生物(がん)である現在、

今までの検査では検出できない時期のがんも簡単に診断できるようになる可能性があるんですから、そりゃ期待します。

 

でも、でもなんです。

科学的発見と、それが実用化されるまでの間には、大きな壁があります。

 

どうやって培養して製品にして病院に配送して保管してどんな使い方をするのか、

途中で線虫が死なないようにするには、万が一漏れ出したときには・・・などなど、

科学を技術として使うためには、解決すべき問題がたくさんあります。

 

2012年にiPS細胞の山中先生がノーベル生理学・医学賞を受賞したときに

「iPS細胞はまだ1人の患者も救っていない」

と、実用化への決意を語っていらっしゃいましたが、

山中先生はやっぱり医師なんだなぁと思いました。

 

今回、あなたに何をお伝えしたいのかと言うと、

 

実用化は、科学的発見をどう技術として使うかであり、そこには隔たりがある

しかし、本当に世に貢献するものを作り出す人は「実用化」を見据えている

 

ということを覚えておいてほしいのです。

そういうことを念頭に置いて、医療や薬や科学の記事を読んでほしいのです。

こういう画期的発見がすぐに実用化しないのは○○のせいだ、

というような記事を鵜呑みにせず、あなたなりの判断をしてほしいのです。

 

今回の線虫のがん診断は、画期的です。

しかも東京オリンピックよりも前に実用化する可能性が高いという驚異的な速さです。

 

そんな中、この件に関するいろいろな記事や意見を読み、どうしてもお伝えしたくなりました。

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